報道の信憑性

タイ人の友人Yさんと食事をしました。

彼女は14歳からアメリカに留学し、大学卒業後IT企業勤務を経て
2年前にタイに帰国したばかりのインテリ女性。

あまり政治の話しはタイ人とはしないのですが
(基本的にどの国でも政治談議はタブーとされている)
Yさんから
「最近のタイの政治についてどう思う?」
と聞かれたので発言したのを発端に
2時間にも渡ってお互い熱く語ることになりました。

「タイの報道は正しい情報を国民に伝えていない。
操作された情報で現政権に都合の良いことしか報道していない。
報道関係者は事実を伝えるという義務を果たしていない!」 と。

彼女は“意図的に報道していない”と感じるようです。

インターネットが発達し、人の往来が増え
外国で就学する人も多くなり
たくさんの情報が入るようになりました。
体験した事と報道で目にしたことにギャップを感じ
それが政治不信へと繋がっているようです。

Yさんは、
「タイ人同士の間では、政府支持者(黄色シャツ派)か
反政府支持者(赤シャツ派)かを話す事も出来ない。
政治思想うんぬんよりも、相手の取り方によっては王政批判と取られるから
自由に発言することが出来ないの」 と。

会話は2時間にも及んだのですが
タイ語で会話をすると周囲に判ってしまうため
途中から全部英語での会話になってしまいました。

お互い“外国人を装った”会話をし
「外国人同士がタイについて語っている雰囲気」でした。

日本では自由に政治の話が出来るのですが
タイは民主主義とは言え、全てが自由には発言できない土壌がまだあるようです。

私は外国人なので感じる事があまりなかったのですが
Yさんと話をした事で
彼女の意見が全てではないにせよ
タイ社会を理解する一つのきっかけになりました。

ただ最後に
「ちふみは、タイで有事が起こってもここにいるよね?」
と不安げな顔で質問された事が気掛かりですが…。

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この記事を書いた人

2001年2月、25歳の時にTJ Prannaraiをタイで操業しました。翻訳、通訳派遣、法律本の出版を行う会社を経営しております。会社経営と同時に2015年より泰日経済技術振興協会でタイ労働法の講師を務めております。2020年3月、日本大学大学院を修了しました。修士論文のテーマは「タイの日系企業における労務施策とその影響」です。

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