薬物使用で解雇したら、不当解雇で訴えられた

乾季らしい乾季のバンコク・・・

 

朝晩は23度ほどでとても過ごしやすいです。

 

 

今日のタイトルは

 

薬物使用で解雇したら、不当解雇で訴えられた

 

~~~~~~~

 

 

工業団地の労働法セミナーや

個別にお客様にお会いした時に

よく話題に上るのが

 

従業員と薬物の話

 

 

タイは日本と比較すると

安易に安価に薬物が手に入るようなのですが

刑法罰は大変重く

ヘロイン2キロ以上の所持は

売買目的とみなし死刑です・・・

 

 

 

製造会社では、

警察が会社に来て

薬物の抜き打ち検査を行ったり

会社が独自で薬物検査を行うところも多いです。

 

 

先日、Aさんと話をしていたら・・・

 

 

~~~~~~~

 

(Aさん)

会社独自で薬物検査をしたところ

1回目が陽性反応が5名出まして…

「もう薬物は使用しません」

という警告書を出しました。

 

2回目に検査をしたところ

6名に増えてまして・・・

 

2回とも検査で陽性だった

社員2名を解雇したところ

この2人から

不当解雇で訴えられたんです。

 

~~~~~~~~~

 

 

この話を聞いたときに、まず・・・

 

薬物陽性で警告書???

 

と疑問に思いました。

 

 

薬物の使用は、

会社に就業規則に違反はしていますが

それ以前に刑法違反です。

 

タイは薬物使用は前述の通り重罪なのです。

 

薬物使用は解雇対象なのです。

 

 

なのに…警告書???

 

 

そして続きが…

 

 

(Aさん)

タイ社会では

薬物使用は犯罪ではなく

病気と思われているようで

更正に協力しましょうという風潮のようで…

 

それで警告書の発行になったんですが…

 

 

この話をタイ人で製造業を経営するYさんに

「こういうことってあるんですか?」

と聞いたら

 

~~~~~~~~~~~

 

(Yさん)

いや…

会社は民間で営利企業だから

薬物使用という犯罪をした者を

会社に置いておく理由はない。

 

解雇が普通の対応でしょう。

 

官庁で「更正に協力しましょう」

だったらいざ知らず

民間に「更正協力の義務」はないよ・・・

 

本人の問題であって

会社は関係がないですね。

 

また薬物の問題は、

 

使用者が売人になる可能性が高いこと。

 

そうなると薬物使用者が会社に蔓延し、

その時に誰が責任取るんだ?

 

誰も取れないだろう?

 

という話しになるんです。

 

薬物の陽性反応が出た時点で

何を言われようとも

解雇なんだよ・・・

 

まずタイの会社に

更正に協力しましょう・・・

なんて、言わないけどね。

 

薬物関連は警察の管轄だから

警察の立会いのもとで行うのが普通だよね。

 

~~~~~~~~~

 

 

まずはAさんの会社は

不当解雇で訴えられているので

毅然と対応するしかないです。

 

不当解雇ということは…

 

労働者側の言い分は

 

薬物使用での解雇は

タイ国の法律に違反しての解雇である

 

ということなので

 

これで、不当解雇に認定されたら

法律としてかなりおかしいですね…

 

 

詳しい手順はブログ上では書きませんが

Aさんには

手順と抗弁はお伝えしました…

 

 

来年度の労働法セミナーでは

薬物と解雇の話も入れようと考えています。

 

 

 

{886FFE8B-4CB8-4E57-8C1E-371F8A0B8590}

  ↑

昨日無性にお肉が食べたくなり

ステーキを食べました。

・・・が4時間後に全部吐いてしまいました大泣きうさぎ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

2001年2月、25歳の時にTJ Prannaraiをタイで操業しました。翻訳、通訳派遣、法律本の出版を行う会社を経営しております。会社経営と同時に2015年より泰日経済技術振興協会でタイ労働法の講師を務めております。2020年3月、日本大学大学院を修了しました。修士論文のテーマは「タイの日系企業における労務施策とその影響」です。

コメント

コメントする

目次