タイの人と仕事をする難しさ

最近、タイの人と働く上で「難しいなぁ…」と思うことが多々あります。
何が難しいのかというと「さじ加減」です。

タイに来た当初は、公立学校の日本語教師で
しかも年齢も学校内で下のほう…というポジションだった事もあり
みんな友達or良きお姉さん・お兄さんに囲まれて生活をしていました。

ただ、一般企業で働く事になり
いきなりマネージャー職(管理職)で採用されたので
私の能力に問わず、部下を持つという生活に激変しました。

今は自分で会社をしていて
一緒に働く人も増え、働く人の年齢層も、出身も異なり、そして教育レベルも異なる…
というのが日常です。

社員に関しては、みんな良い家の出で、そこそこ教育も受けており
話していて違和感がないのですが
「さじ加減」が難しいのは、メイドさんや運転手さんなどです。

先日、社員よりこんな事を言われました。

「社長、運転手さんが言う事を聞きません。
行き先を告げても無視だし、自分の都合で運転します。
スピードは出すし、運転が危ないのです。
あと、言いにくいのですが、人としてマナーに欠けるところがあります。」

と。

この運転手さんは30代後半の男性で
普段は丁寧な、比較的安全運転な方です。
それはどうも、私の前だけで、社員の前では変貌するという事がわかりました。

言葉遣いは粗暴になり、危険運転、
自分の都合で運転し社員の指示は無視…なんだそうです。

この事を夫に話したところ

「それ、あなたが優しいからだよ。
優しい事=甘やかし となることが多くて
特に雇用関係がある人に接する時は厳しく接しないとすぐ“つけあがる”よ。
運転手も、あなたに気に入られていると思っているから
社員にそうやって接するんだよ。
下働きの社員と仲良くしてはダメ!」

と言われました。

要は、私の管理が甘いから、緊張感がなくなった…と言いたいようです。

タイはまだ貧富の差が激しく、
暮らしてみると完全な階層社会ということを感じます。

“一億総中流”の日本で育った私は、
この階層意識が理解出来ていないのだと思いました。

私の管理が甘いと、自分だけではなく、周りの人もダメにしてしまうようです。

「さじ加減」…まだちょっと難しいです。

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この記事を書いた人

2001年2月、25歳の時にTJ Prannaraiをタイで操業しました。翻訳、通訳派遣、法律本の出版を行う会社を経営しております。会社経営と同時に2015年より泰日経済技術振興協会でタイ労働法の講師を務めております。2020年3月、日本大学大学院を修了しました。修士論文のテーマは「タイの日系企業における労務施策とその影響」です。

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