2022年度 経営戦略会議~タイ人リーダーが社内起業を始める

TJ Prannarai

みなさん、こんにちは。

2001年、25歳で起業した前田千文です。

当社は2014年より経営戦略会議という、会社全体の戦略会議を実施しているのですが

今年で9回目を迎えました。

去年(2021年度)はコロナ禍でオンラインでの開催で、

しかも、生きるか死ぬか(ようは倒産)みたいな状況で

ブログを書く余裕すらありませんでした…。

目次

会社の状況を冷静に分析する

毎年の経営戦略会議では、1年の振り返りから始まります。

これは、売り上げだったり、利益だったりです。

なぜ達成しなかったのか?(原因を分析)

どうしたら達成できたのか?

達成した場合、達成できた要因は何か?

まずは、この3つを必ず振り返ります。

TJ Prannarai

当社は毎月ある月例会議でこれらのことは振り返り、必要に応じて修正をかけますが

それでも未達ということはあります。

当社では未達は「失敗」ではなく、「フィードバックがあるだけ」と考え

計画した目標や行動計画を見直し、再度チャレンジします。

TJ Prannarai

新規プロジェクトを立ち上げる

当社は2001年2月の創業で、昨年(2021年)は創業20周年でした。

私は10年計画を立てようと考えていたのですが、コロナ禍で売り上げが大幅にダウンしてしまい、

長期計画を立てる心理的な余裕がありませんでした。

TJ Prannarai

私には企業経営者として達成したい目標があるのですが

それを社員と共有する前に、こんなことをみんなに聞いてみました。

お客様からみて、どんな会社が良い会社ですか?

あなたにとって、良い会社とはどんな会社ですか?

(どんな会社で働きたいか?)

グループに分かれ、ブレインストーミングを行い

そのあと、グループの代表者に発表してもらいました。

TJ Prannarai

多くの考えが出され、共通点も多く見受けられました。

私がこれから創造したいことと、みんなの理想がある程度一致するということがわかりました。

そこで、こう伝えました。

私は、ここにいるみんな、
そして、これから入社してくるであろう新たな仲間と共に
理想の会社を創っていきたい。

10年かけて、一緒にやってみませんか?

全て叶うかどうかはわからないけど、
一緒にチャレンジしませんか?

みんなの視線に力が入るのがわかりました。

そして、このように続けました。

では、理想の会社を創るために
具体的に何をしなければいけないと思いますか?

またグループに分かれて、ブレインストーミングを行いました。

TJ Prannarai

その後、発表をしたのですが

どのグループにも共通していることがありました。

TJ Prannarai

それは、新規事業でした。

当社はもともと「通訳者派遣」と「翻訳」の2事業でしたが

お客様の要望に応じて、事業が枝葉のように増えていきました。

現在では、上記2事業のほかに

法律関連本の出版、法律コンサルティング、教育、DTP、法律情報の配信があります。

社員から出てきた新規事業は、私では思いつかない内容でした。

そこで、このように切り出しました。

たくさんの新規事業についてアイデアが出てきましたが、
このアイデアは誰のアイデアか、私は分かりません。

みなさんの中で

「このアイデアを自分がリーダーになって、やってみたい!」

という方はいないでしょうか?

新規事業ですので、リーダーではなく“起業”してもらいます。

社内起業がスタートする

この私の問いかけに対し、4名から応募がありました。

この4名には、私から以下の条件を付けました。

社内とは言え、これは起業。

あなたが社長となって、誰をこのプロジェクトに入れるか指名しなさい。

私は投資家として事業計画は見ます。

ですが、社長であるあなたに対して私から注意したり、管理はしません。

自分を律し、管理し、やり遂げなさい。

もちろん相談があれば、いつでもサポートします。

当然ながら報酬が発生しますが、成果に応じたコミッションとしました。

上手く行くかわかりませんが、今までの「あり方」を見て知っているので

適切な距離感を保ちながらサポートをしようと思っています。

そして新規事業を進めるにあたり、会社の制度も変えました。

タイムカードの廃止と勤務場所の自由選択の採用

新規事業を開始するにあたり働き方を選択できるようにしました。

タイムカードの廃止

まず、タイムカードを廃止し出勤時間と勤務時間は自由に設定できるようにしました。

ただ、会社として誰がいつ仕事をしていて、

どこで仕事をするのかがわからないので

それは共有しようという話になりました。

どこで勤務してもよい

コロナを機に、当社では自宅勤務を採用し、選べるようにしました。

今後は、会社に出勤するも良し、自分の好きなところで仕事をしても良いとしました。

どこにいても仕事をし、成果が出せるということですので

実験的にやってみることにしました。

権限の委譲はどこまでできるのか?

今回の経営戦略で決めたことは、経営者として私自身もチャレンジングな内容だと感じています。

たまたま、「日本電産の永守会長がCEOに復帰」という報道を目にしたばかりです。

誰かに仕事を任せるということは、我慢することも増えるからです。

時間が掛かることも承知していますし、お金を失うことだって多々あります。

ただ…

私(前田千文)

やってみたい…

私(前田千文)

立候補してくれた4名の才能の開花を見てみたい…

そう思ったんです。

物事には失敗はなく、ただフィードバックがあるだけ…ですので、

私にとっても、新たなチャレンジと楽しみができました。

まとめ

今日は、当社で4月20日に行われた「2022年度の経営戦略会議」の様子をお伝えいたしました。

今後、海外で起業される方、現地化をお考えの方の参考になれば幸いです。

当社では、現地化に関してのアドバイスやトレーニングも行っております。

過去の経営戦略会議の様子

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この記事を書いた人

2001年2月、25歳の時にTJ Prannaraiをタイで操業しました。翻訳、通訳派遣、法律本の出版を行う会社を経営しております。会社経営と同時に2015年より泰日経済技術振興協会でタイ労働法の講師を務めております。2020年3月、日本大学大学院を修了しました。修士論文のテーマは「タイの日系企業における労務施策とその影響」です。

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