タイ人株主に訴えられる~タイで起業した時に苦労したこと(11)

今日のタイで起業した時に苦労したこと
タイ人株主に訴えられる です。

私が訴えたのではなく、訴えられたんです。

そう、俗にいう被告です。

今から10年前だったと思います。

その日は、社員旅行があって

日曜日の夕方にオフィスに戻って来たところ

入り口に巻物のような分厚い封筒

が挟まっていました。

中味を確認せずに、

そのまま総務の机にポーン、

そのまま帰りました。

次の日社員が、、、

社長、オラタイさんに訴えられました。

誰だったかな??
オラタイって???

なかなか思い出せず、

社員に

昔の株主ですよ、社長

と言われるまで記憶の彼方でした、、、。

思い出しました、、、

さかのぼること2年前、、、

オフィスにやって来て号泣した人、、、

彼女は2001年9月に亡くなった

ビジネスパートナーT氏の奥さん。

遺産相続で当社の株式を相続しました。

当社にやって来て

生活に困窮しているので
株式を手放したい。
なんとかしてほしい。

そういって、

会議室で号泣してました、、、

私の会社は外国人事業法に掛かる会社で

タイ国籍者51%、

外国籍49%の規制に掛かります。

当時、私は49%を保持していたので

これ以上は株式を保持することが出来ません。

彼女にそれを伝え、

タイ国籍者に株を譲渡してください

と伝えたところ

さらに号泣し、

どうしても1週間以内にまとまった現金が必要なんです!
親族や友人に株を買える人がいないので
何とかして欲しい(号泣)

その姿が

あまりに可哀相だったので、

なんとかします

と言って、

その日はお帰りいただきました。

タイ人の友人2名に事情を話し

株主として名義を借り

オラタイさんに株の分のお金を払い

株主変更の登記作業を終えたのでした…

そんなことを思い出しました。

訴えられた内容は…

タイ政府に対する偽証罪で刑事告発

要は、本当の株主ではないのに

タイ人の名義を使っていることが

公文書の偽造にあたる

と告発されたのです。

刑事告発され有罪となると

会社のサイン権を失い

会社の代表取締役でいることが出来なくなります。

日本人の常識では

考えられないことですが

タイでは

刑事事件でも示談があります。

本裁判の前に、

原告(オラタイ)と被告(私)の間で

話し合いがあるのですが

タイ政府に対する偽証罪なのに

相手はオラタイさんというのが不思議です。

間に調停官が入りますが

私に個室で


原告の目的はお金なので
訴えられたのは運が悪いとしか言いようがないので
金額の折り合いをどこでつけるのかの話し合いになります。
恵まれない人にお金を払って
自由を手に入れたと思えばよいです

と…

タイ政府に対する

偽証罪はどこへやら…

3回の調停は全て、

金額の話し合いでした。

結局、オラタイさんには

30万バーツ支払うことで

折り合いがつきました。

しかも3年の分割払いで…

その後、オラタイさんにより

タイ政府に対する偽証罪…

というのは勘違いでした

と取り下げの手続きを行います。

示談の際に、

今後、どんな案件でもお互い訴訟をしない

と署名します。

3年の分割払いは小切手なのですが

昔のことなので言えますが

小切手にサインする際に

裏に鉛筆で

死ね

って書いてました。
(私のブラックな一面です)

この時に思ったのは

海外では、
お金のない人に関わってはいけない

ビジネスに慈悲の心は必要ない

でした…

今後、起業する方の参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

2001年2月、25歳の時にTJ Prannaraiをタイで操業しました。翻訳、通訳派遣、法律本の出版を行う会社を経営しております。会社経営と同時に2015年より泰日経済技術振興協会でタイ労働法の講師を務めております。2020年3月、日本大学大学院を修了しました。修士論文のテーマは「タイの日系企業における労務施策とその影響」です。

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