タイの闇 - 子供の麻薬問題

先日、クロントーイ・スラムで
子供たちへの教育活動をしているボランティア団体の方とお会いました。

クロントーイ・スラムは、タイ最大のスラム街で
高速道路の利用などで良く通るのですが、麻薬密売が盛んなところです。

クロントーイで高速を下りると
よく子供たちが車に寄ってきて窓などを拭きます。
影で監視している元締めが居て
元締めからもらうお小遣いは「お弁当」か「シンナー」だそうです。

昨日お会いした方の話によると
全身痣だらけ、タバコの痕が体中にある子供も多いそうです。

両親が地方から出てきて、クロントーイ・スラムに住み
貧困などから麻薬に手を染めるケースも多く
そういった環境が身近にあることから
シンナーや麻薬に手を出してしまう事もが多いそうです。

昨日お会いした方は、そういった子供の更正・教育活動をしている方でした。
子供たちに教育をし、社会に戻していく活動をしているそうです。

驚いた事は、タイ人の多くが
「この事に無関心だ」といった彼女の言葉です。

タイでは輪廻転生の考え方があるのですが
“麻薬をする=自分の行い(責任)=カルマ”と考えるそうで
「麻薬をするのは自分の問題」「カルマの問題」と考えるそうです。

なので、なかなかタイの人が中心の
支援活動が進まないと言っていたのが印象的でした。

彼女の話を聞き、考えました。

私の会社は「クロントーイ地区」にあります。
スラム街からは数キロ離れていますが
オフィスビルが並び、きれいに着飾ったOLさんたちが居て
たくさんの観光客が居て、華やかな場所です。

光と闇ではないですが
タイが抱える“闇”を見たような気がしました。

私が普段何気なく生活している事自体が
子供たちにとっては、非日常的なことなのだと…。

彼女のような活動がもっとタイの人に知られるようになればと思います。

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この記事を書いた人

2001年2月、25歳の時にTJ Prannaraiをタイで操業しました。翻訳、通訳派遣、法律本の出版を行う会社を経営しております。会社経営と同時に2015年より泰日経済技術振興協会でタイ労働法の講師を務めております。2020年3月、日本大学大学院を修了しました。修士論文のテーマは「タイの日系企業における労務施策とその影響」です。

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