タイで仕事をすると…。

先日、タイの大学に留学している日本人女性が来社しました。
いろいろと雑談するの中で
 「旅行で一時的に滞在する事と、仕事をする事の違いはなんでしょうか?」
と質問されました。

旅行などでタイを訪れると
タイ以外の国でも言えることなのですが
その国の“良い面”だけを短期間だけ見て日本に帰国します。

タイの場合ですと。
 1.笑顔が素敵(Smile of Landと言われている)
 2.物価が安い。
 3.人々がフレンドリー。
 4.タイ料理が好き。
というのが、良く聞かれます。

では、「タイで仕事をする」となった場合はどうなのでしょうか?
これは私の経験を元に話しをしました。

私の場合は、旅行ではなく日本語教師としてタイに来たのですが
同僚の先生たちは、とても親切でした。
色々な場所に連れて行ってくれ、たくさんの事を教えてくれました。

その後、教師を辞め、タイで就職したのですが
それまでの価値観が音を立てて崩れていく出来事が沢山ありました。

まずは、
1.誰も仕事を教えてくれない。
2.不親切。
3.秘密主義=情報が自分に入ってこない。

こういうことが日常的に起きました。

今なら理解できるのですが、
「上下関係」「利害関係」が出来てしまうと
タイの人と接するのは難しいのです。

タイ語も上手くない、新人、年も下…
なのに日本人と言うだけで、給料が元々いるタイ人スタッフより高くなるのです。

また、責任のあるポジションに
既存のタイ人スタッフを飛び越えて就くケースも多いので
タイの人から見れば面白くないのは当然です。

私は実際に自分が経験して、この事が結構カルチャーショックでした。

タイは、縦割り社会で、完全なTOP/DOWNで仕事が進みます。
最近では変わってきていますが
“底上げ”の考えはまだ希薄です。

“自分たちより給料が高い人は仕事を知っていて当然”
と考えるようです。

良い面としては、性別に関係なく仕事を任されることでしょうか?
また責任が多い仕事をこなす事も多いので
キャリア志向の人には良い環境だと思います。

私自身、タイで独立しようと思ったのも
こういった背景が大きく影響していると思います。
日本にいたら…独立はしなかったでしょう。
いや、出来なかったと思います。

“海外で仕事をすること”
私が考えるに、
 1.責任感
 2.自立心
 3.順応性
 4.注意力(危機回避能力)
 5.向上心
ではないかと思います。

これが欠けていると難しいかもしれません。

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この記事を書いた人

2001年2月、25歳の時にTJ Prannaraiをタイで操業しました。翻訳、通訳派遣、法律本の出版を行う会社を経営しております。会社経営と同時に2015年より泰日経済技術振興協会でタイ労働法の講師を務めております。2020年3月、日本大学大学院を修了しました。修士論文のテーマは「タイの日系企業における労務施策とその影響」です。

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