階級社会

タイは“微笑みの国”と呼ばれるくらい、笑顔が素敵な人が多い国です。
ただ、働くうちに、日本とは異なる部分がたくさんあります。
その中で多くの人が困惑するのが、
“職場における階級社会の存在”のようです。

先日、こんな事がありました。

日本語を話す通訳者が、客先に書類を届けることになりました。
それを日本人上司がお願いしたところ
突然怒り出し、会社を辞める!と騒ぎ出しました。

“日本語を話す通訳者=大卒=ホワイトカラー=階級が上” 
である自分が
なぜ
“書類を届ける=メッセンジャーの仕事=ブルーカラー=階級が下”
の仕事をしなければいけないのか!
という発想になり、突然怒り出したのです。

なかなかこの階級意識を日本人は理解できません。
私も理解出来ないと言うか、したくありません。
ただ、タイで働く以上、階級意識を知らないと
労働者側ともめる火種を作る事さえあります。

タイで日本人は、当然ながら外国人になります。
外国人と言うだけでどの階級にも所属することなく、
自分さえ望めばどの階級にも出入りが出来ます。
そのせいか、タイ人同士の根強い階級意識に接する機会は少なく
上記のような事が起こると
「日本語の通訳はわがままだ!」
「高学歴は使えない!」
とコメントが出るのです。

この階級意識は、結婚から就職に至るまで根強く残っています。
さながら昔あったインドのカースト制度のような感じさえします。

タイはまだまだ中産階級が少ない国です。
最近の日本も格差社会と言われていますが
タイの比ではありません。
貧富の差は激しいです。

この国が本当の意味で、平等になるのはいつの事なのか?
とふと感じました。

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この記事を書いた人

2001年2月、25歳の時にTJ Prannaraiをタイで操業しました。翻訳、通訳派遣、法律本の出版を行う会社を経営しております。会社経営と同時に2015年より泰日経済技術振興協会でタイ労働法の講師を務めております。2020年3月、日本大学大学院を修了しました。修士論文のテーマは「タイの日系企業における労務施策とその影響」です。

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