退職届、実は…

あるお客様(A社長としましょう)から相談を受けました。

「退職届を出されて、サインをしたら実は“解雇通知書”だった」

ゲッ![emoji:v-40]と言う感じの出来事です。

タイは公文書がタイ語なので、
多くの日本人経営者はタイ語が判らないまま
色々な書類にサインをしている…ということがあります。

ある日、日本人社員から“退職届”が出されたそうです。
理由は“日本に帰国するため”だったそうで
A社長は、引き止めたのですが、結局は退職してしまいました。

それから数ヵ月後…
「不当解雇」で、この退職した日本人社員から訴えられたのです。

理由は
「会社側から“解雇”されたので、
解雇保証金と事前通告なしの解雇なのでその手当てが欲しい」

と言う内容でした。

A社長は
「解雇なんかしていない。自主退職だ!」
と言ったのですが
書類を見たら「解雇通知書」にサインをしていたのです。

結果は、会社側の敗訴となり
解雇保証金+事前通告無しの解雇金 を支払う事になったのです。

元日本人社員が悪意を持ってやった行為とは言え
「サインをした」=「内容を理解した」 となります。

タイ語が判らない、判らなかったでは通用しないのです。

A社長曰く、

「いつもタイ語の書類がスタッフから来る時は
何の書類か確認するのに、相手が日本人だった事もあり信用していた」

との事。

どうしても言葉が通じる日本人同士だと信用しやすくなります。
これを読んでいる経営者の皆さん!
気をつけましょう!

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この記事を書いた人

2001年2月、25歳の時にTJ Prannaraiをタイで操業しました。翻訳、通訳派遣、法律本の出版を行う会社を経営しております。会社経営と同時に2015年より泰日経済技術振興協会でタイ労働法の講師を務めております。2020年3月、日本大学大学院を修了しました。修士論文のテーマは「タイの日系企業における労務施策とその影響」です。

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